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乳房外パジェット病

最終更新日:
2020年08月14日
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2020/08/14
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概要

乳房外パジェット病とは皮膚がんの一種で、外陰部や肛門(こうもん)周囲、(わき)の下、へそ周りなどに発症しやすい病気です。“がん”ではありますが、早期の段階ではしこりが形成されるわけではなく、赤色・褐色・白色などのシミや湿疹のような形状をしているのが特徴です。通常は痛みやかゆみなどの症状を引き起こさず発症部位も目につきにくいため、発見が遅れるケースも少なくありません。

しかし、進行するとシミや湿疹のような病変にかさぶたやただれなどが生じてしこりを形成し、リンパ節や内臓に転移します。

基本的には、病変部分を切除する手術が行われますが、発見が遅れて病変が広範囲に広がっている場合には手術が困難になることも少なくありません。また、がんが肛門や尿道などに広がる場合には、人工肛門や尿の排出路をつくる必要があるため、治療が難しくなります。

原因

乳房外パジェット病は、汗を産生する汗腺(かんせん)などの細胞ががん化することが原因と考えられています。しかし、どのようなメカニズムでがん化が生じるのか明確には解明されていません。

60歳以上の高齢の方に多く発症することから、加齢による何らかの要因が関与している可能性が指摘されています。

症状

早期段階ではしこりなどは形成せず、赤色や褐色などの赤みがかった色調や白く抜けるようなシミ・湿疹のような病変が現れます。通常は痛みやかゆみなどを伴わず、発見や受診が遅れることも少なくありません。

しかし、これらの病変は年単位で大きく拡大していきます。さらに、進行するとシミや湿疹のような病変の表面にただれ・潰瘍(かいよう)・かさぶたなどが現れるようになり、しこりを形成します。この状態まで進行すると、病変部分は衣類の擦れなどささいな刺激で出血しやすくなり、皮膚の深い部分にまで病変が波及すると尿道や肛門がダメージを受けることも少なくありません。また、リンパ節や肺などに転移を引き起こすこともあります。

検査・診断

病変の特徴から乳房外パジェット病が疑われた際には、病変部の組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく観察する“病理検査”が行われます。

病理検査は乳房外パジェット病の確定診断に必須の検査であり、この病気が疑われるときはほぼ全ての患者に対して実施されます。そのほかにも、他部位への転移の有無などを確認する目的で全身のCT検査が行われるのが一般的です。

また、乳房外パジェット病ははっきりとした皮膚の変化を伴わないまま、周囲に病変が広がっていくことがあります。そのため、手術の切除範囲などを決めるために、目で見える病変部の端から1cmほど離れた皮膚の組織を複数個採取して病理検査を行う“マッピング生検”が行われることもあります。

治療

乳房外パジェット病の治療では、基本的に手術による切除が行われます。再発を防ぐためには病変全てを取り除く必要があり、病変が皮膚の深い部位にまで達している場合は広範囲にわたる切除が必要です。

また、病変が肛門や尿道などに達しており、それらの重要な器官もまとめて切除しなければならない場合には、人工肛門や人工的な尿の排出路を作る大掛かりな手術を同時に行う必要があります。

一方、内臓に転移がみとめられた場合や全身状態が悪いなど何らかの理由で手術ができない場合には、放射線療法や抗がん剤治療が行われますが、十分な効果が得られないことも多いため新規治療の開発が望まれています。

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