たんじゅんへるぺすのうえん(こども)

単純ヘルペス脳炎(こども)

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概要

単純ヘルペス脳炎とは、単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスを原因として発症する脳炎のことを指します。

単純ヘルペス脳炎はどの年齢層でも発症しますが、特に小児期に発症すると進行が早く、かつ重篤な経過をたどることも少なくないため注意が必要です。治療では、アシクロビルと呼ばれる抗ウイルス薬が用いられます。

 

原因

単純ヘルペス脳炎は、単純ヘルペスウイルスに感染することを原因として発症します。単純ヘルペスウイルスには1型と2型がありますが、口回りや性器周辺に感染することがあります。そのため、感染者の唾液や分泌物にウイルスが混入していることがあり、タオルや食器類の共有、経膣分娩時の直接的な接触などを原因としてウイルス感染が成立します。

単純ヘルペスウイルスは、口回りに水ぶくれを生じるヘルペスの原因として、ありふれたものであるといえます。しかし、一度ウイルスに感染すると、ウイルスは神経系に潜伏します。神経に入り込んだ単純ヘルペスウイルスが、ときに中枢神経にまで入り込むことがあり、単純ヘルペス脳炎の発症に至ります。

また、お母さんが性器ヘルペスを発症していると、経膣分娩に際して赤ちゃんが単純ヘルペスウイルスに感染することがあります。この場合、血流により中枢神経へとウイルスが運ばれ、単純ヘルペス脳炎を発症することがあります。

症状

小児期のお子さんが単純ヘルペス脳炎を発症すると、発熱や吐き気、嘔吐、頭痛、けいれん、意識レベルの低下などの症状を呈します。成人に比べると病状の進展が早いことも特徴であり、急速な経過で重篤化することがあります。

単純ヘルペス脳炎は致死率が高い疾患であると同時に、神経学的な後遺症を残すことも懸念される疾患です。成長・発達段階にあるお子さんが、病気の発症をきっかけに、それまでできていたことができなくなることもあります。また、小児の単純ヘルペス脳炎は再発することもまれではありません。

検査・診断

単純ヘルペス脳炎が疑われる際には、髄液検査やCT検査、MRI検査、脳波検査などが行われます。髄液検査では、髄液を採取し、PCR法という検査法を用いて、ウイルスの一部を検出します。単純ヘルペスウイルスが中枢神経系に侵入していることを髄液検査で証明しつつ、画像検査にて、特徴的な画像上の変化が出現していないかどうかを検討します。

治療

単純ヘルペス脳炎では、アシクロビルと呼ばれる抗ウイルス薬を第一選択薬として治療が行われます。病初期においては単純ヘルペス脳炎であることが必ずしも確定できないこともありますが、もし単純ヘルペス脳炎であった場合には重篤な経過が予測されます。そのため、診断が確定していない状況であっても疑わしい場合には治療薬が投与されることがあります。

単純ヘルペス脳炎では、呼吸障害や脱水、けいれんなどをみることもあります。そのため、補液や抗けいれん薬の投与などの対症療法的な支持療法も行われることがあります。

急性期の治療が奏功した場合でも、神経学的な後遺症を残すことがあり、この場合には、リハビリテーションや療育など、必要に応じた治療介入が検討されます。

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