にょうろかんせんしょう

尿路感染症

最終更新日:
2021年12月27日
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2021/12/27
更新しました
2017/04/25
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概要

尿路感染症とは、尿の通り道である尿道口から菌が侵入し、体内で繁殖する感染症の総称です。

侵入した菌が繁殖する場所によって病名が異なり、膀胱炎尿道炎腎盂腎炎(じんうじんえん)などがあります。膀胱炎や尿道炎など、尿道口に近い部分の尿路感染症を下部尿路感染症、腎盂腎炎などのより上部の尿路感染症を上部尿路感染症と分けることもあります。

下部尿路感染症では排尿痛、頻尿、血尿といった尿の症状が中心になりますが、上部尿路感染症では高熱、腹痛、吐き気といった症状が出ることがあります。

尿路感染症は尿道が短い女性で起こりやすい傾向がありますが、2歳までの乳幼児では男女で同じくらいの頻度で発症するといわれています。

原因

尿路感染症は、尿道口から菌が侵入して、体内で繁殖することによって起こります。

尿路とは尿道口から腎臓までを指す言葉で、尿路感染症は尿道口→尿道→膀胱→尿管→腎臓と、感染の範囲が徐々に広がっていく特徴があります。感染が腎臓まで達すると上部尿路感染症と呼ばれ、症状が重くなる傾向があります。

尿路感染症の原因はほとんどの場合が大腸菌などの細菌ですが、ウイルス感染である場合もあります。また、淋菌(りんきん)やクラミジアなどの性行為によって感染する病原菌が原因であることもあります。

尿路感染症には、単純性尿路感染症と複雑性尿路感染症があります。

単純性尿路感染症とは、ほかに関連する病気がないときに生じる尿路感染症です。一方、複雑性尿路感染症は尿路に結石やがんなどの病気があるときに生じる尿路感染症です。

複雑性尿路感染症は、単に尿路感染症を治療しただけでは再発しやすいため、併せて尿路にある結石やがんなどの病気の治療を行うことが大切です。

症状

尿路感染症の症状は、感染が尿路の下部にとどまるか腎臓まで達するかによって異なります。また、女性では自覚できる感染症状がないのに、尿中に細菌や白血球が検出される無症候性細菌尿と呼ばれる症状がみられることもあります。

上部尿路感染症の症状

  • 38℃以上の高熱
  • 腰や背中を叩いたときの鈍い痛み
  • 吐き気、嘔吐
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 尿の濁り

など

下部尿路感染症の症状

  • 排尿痛
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 血尿
  • 尿の濁り

など

検査・診断

尿路感染症の診断は症状と尿検査、尿培養、血液検査、画像検査などの結果に基づいて行われます。

尿の中に実際に細菌が感染しているかどうかは尿培養で細菌の存在を確認する必要がありますが、結果が出るまでに時間がかかることが多いため、尿中の白血球の有無と排尿痛などの症状や背中をたたいたときの痛みの有無などから診断が行われることが一般的です。

血液検査では全身の炎症反応の有無を調べることができ、前立腺や腎臓の状態を示す検査値を調べることによって尿路感染症の位置を調べることもできます。

画像検査は血液検査や尿検査では診断できないとき、症状が強く状態を把握したいときなどに行われることがあり、CTや超音波検査があります。

治療

尿路感染症の治療は、抗菌薬による薬物治療が中心になります。基本的には飲み薬で治療しますが、腎盂腎炎では入院のうえ点滴での治療が必要になることもあります。

治療期間は人によっても異なりますが、膀胱炎であれば3日程度、腎盂腎炎では1週間~2週間程度かかることが多いです。抗菌薬を投与し始めて早い段階で症状の改善がみられても、体内の細菌をしっかりと殺すために一定期間投与し続ける必要があります。

また、治療中は尿路に住み着いた細菌をしっかりと排出する必要があるため、水分を取って尿をたくさん出すことも必要になります。

残尿が多く、尿を素早く体外に排出する必要がある場合は、カテーテルを膀胱内に留置し尿の排出を促すドレナージとよばれる方法がとられることもあります。

予防

大人の尿路感染症は性行為によって感染することも多いです。性行為を行う際にはコンドームを装着し、感染を防ぐことが大切です。

また、ストレス、過労、冷え、陰部の不潔などが誘因となることもあるため、ストレスをためない生活を送る、陰部の清潔を保つことなどを心がけることも大切です。

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