きどうねっしょう

気道熱傷

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

鼻(口)から喉を通って肺まで続く空気の通り道を気道といいますが、気道熱傷とはこの気道に起こった火傷のことです。呼吸の度にここを空気が出入りするため、火傷により気道の粘膜が腫れてくると、呼吸に影響が出てしまう可能性があります。

治療では、熱傷による浮腫みをなるべく小さく抑えることと同時に、空気の通り道をしっかり保っておくことが重要になります。

原因

気道熱傷は、火災などで高温になった空気を吸い込んで起こる、熱による気道粘膜の損傷です。粘膜が損傷すると腫れてくるため、呼吸に影響が及ぶ可能性があります。

このような気道粘膜の損傷は、出火場所に近いところや熱の逃げない閉ざされた屋内で起こりやすく、そのような患者さんのほとんどが、体のほかの部分にもひどい火傷を負っています。

症状

皮膚の火傷では、痛みやただれが大きな問題になりますが、気道に火傷が起こった場合は、気道の粘膜の腫れのほうがより恐ろしい結果を引き起こします。

気道は、呼吸のときに空気が出入りする唯一の通り道であるため、狭くなったり閉じてしまったりすると、すぐに命に関わります。もし完全に閉じてしまった場合には、患者さんは数分で死んでしまいます。

検査・診断

気管支を観察する内視鏡(気管支鏡)を使って、気道の壁の内側を直接みることもありますが、一回のみの観察で、ダメージの強さを予想することは難しいです。また、意識が朦朧(もうろう)とした患者さんが暴れたり、顔や口にもひどい火傷があったり、すでに気道の粘膜の腫れが進んでいたりして、気管支鏡での観察が困難なこともあります。

その様な場合には、鼻や口の入り口を詳細に観察し、(すす)が付着していないか、あるいは炎により鼻毛が焦げていないかで、気道熱傷がないかを判断します。さらに火事の現場の状況や、体のほかの部分の火傷の程度から気道熱傷の可能性について推察する場合もあります。

治療

気道熱傷の治療では、熱傷による気道粘膜の腫れをなるべく小さく抑えることと同時に、気道をしっかり保っておくことが重要になります。気道粘膜の腫れは、火傷を受けた数時間から数日後にもっともひどくなるため、その間の治療が特に重要です。

気道が閉塞する可能性が高い場合には、気管挿管が必要となります。気管挿管とは、親指かそれよりもやや太い気管チューブを、口から気道に、深さにして20~25cmほど挿入して留置する治療です。気道粘膜が腫れても挿入したチューブにより気道が確保されます。

チューブを入れている間は、喉の強い違和感を和らげるため、浅めの麻酔をかけておくことが一般的です。

また、全身に火傷を負った場合、高温に晒されて失われた水分を体に補うため、治療として比較的多い量の点滴(補液)を行います。

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