しゅうかんりゅうざん

習慣流産

最終更新日:
2018年08月15日
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2018/08/15
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概要

習慣流産とは、人工流産ではなく自然流産を連続3回以上繰り返すことを指します。自然流産を繰り返す場合、何かしらの原因となる病気が隠れていることもあります。そのため、原因に応じた治療介入が行われます。

適切な治療を受けることで、正常な妊娠・出産につながることも十分期待できるため、流産を繰り返す際には医療機関を受診し、治療を受けることが推奨されます。

原因

習慣流産は、免疫学的な異常や子宮奇形、内分泌異常、染色体異常などを原因として発症します。

免疫学的な異常

代表的な病気は、抗リン脂質抗体症候群です。抗リン脂質抗体症候群では、胎盤に微小な血栓が詰まり機能不全になることで胎児の血流不全が起こり、流産を繰り返す原因になることがあります。

子宮奇形

子宮の形が正常とは異なる子宮奇形も、習慣流産の原因のひとつです。子宮奇形があると、子宮内の空間が狭くなってしまい、胎児が発育するスペースが確保されないことがあります。

その他に、甲状腺機能低下症、卵巣の機能低下、感染症、染色体レベルでの異常なども習慣流産の原因となることが知られています。

 

症状

習慣流産では、自然流産を連続して3回以上繰り返します。流産では、生理痛のようなお腹の張りや腹痛、出血などの症状が認められます。流産を繰り返すことから、なかなか挙児に至らない可能性があります。

習慣流産では、原因によってはその他の症状が出現することもあります。抗リン脂質抗体症候群では血栓が形成されるリスクが高まりますが、脳梗塞の発症に至ることもあります。

その他、甲状腺機能低下症であれば疲れやすさや全身のだるさ、便秘などの症状が現れます。また、感染症であれば膣分泌物の変化や腹痛、局所のかゆみなどを伴うことがあります。

 

検査・診断

習慣流産では、内診や基礎体温測定などに加えて、原因検索を目的としたさまざまな検査が行われます。免疫異常の検索を目的とした自己抗体の検出や、甲状腺機能や感染症の有無などを評価するための血液検査が行われます。また、血液検査では、染色体検査やHLA型の検索なども行われます。

その他、習慣流産は子宮の形態異常が原因となることもあるため、これを評価するための超音波検査、子宮卵管造影、MRI検査なども行われます。

治療

習慣流産では原因に応じた治療介入が行われます。抗リン脂質抗体症候群が原因の場合には、アスピリンやヘパリンなどを用いることで流産の予防を図ります。

また、甲状腺機能の低下が原因の場合には甲状腺ホルモンの補充療法が行われますし、感染症が原因の場合には病原体に応じた治療薬が使用されます。子宮の形態異常が原因と考えられる際には、手術が検討されます。

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