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耳性帯状疱疹

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

耳性帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルスによる症状が耳に現れる状態を指します。「ラムゼイ・ハント症候群」と呼称されることもあります。水痘帯状疱疹ウイルスは、いわゆる「水ぼうそう」を引き起こすウイルスです。

耳性帯状疱疹を発症すると、水ぼうそうと同様に耳介(じかい)や耳の後ろの皮膚や外耳道に発赤を伴う小水疱(水ぶくれ)が生じます。小水疱は耳だけでなく口の中にできることもあり激しい痛みを伴います。

幼少時期に感染し、耳の周囲の神経に潜んでいたウイルスが、ストレスや疲れなどにより再活性化することが原因となるため、ウイルスを再活性化させないよう注意することが大切です。

原因

耳性帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスを原因として引き起こされます。水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水痘(水ぼうそう)と呼ばれる病気を引き起こします。

水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘が完治した後も体内に潜伏することが知られており、神経に対しての親和性があることから神経節と呼ばれる部位に潜みます。

通常であれば症状を引き起こすことはありませんが、ストレスや疲れ、寝不足、ステロイドの使用、化学療法、がんの発症などで免疫力が低下すると、潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することがあります。

この際に、耳を中心にウイルス活性の症状が出現することで、耳性帯状疱疹が引き起こされます。

症状

耳性帯状疱疹では、耳に痛みや発赤を伴う小水疱が出現します。小水疱は耳介や外耳道だけでなく、口の中にも生じることもあります。

また、耳の中耳腔の奥を走行する顔面神経が同時に障害を受けることもあります。顔面神経の障害が生じると、障害を生じた側の顔面の筋肉を動かしづらくなり、額にしわを寄せられなくなったりします。目の周囲の筋肉も障害を受けるため、目を力強く閉じることができなくなって目が渇きます。

さらに、口周囲の筋肉も障害を受けるため、よだれがたれたり、飲み物が口からこぼれたりします。味を感じる神経の一部は顔面神経から分岐するため、味覚障害も生じます。

そのほかにも内耳に障害が拡がり、耳鳴りやめまい、聴力の低下などの症状が現れることもあります。

検査・診断

耳性帯状疱疹は、耳のまわりに特徴的な赤を伴う小水疱の広がりをみせます。

水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化が原因であるため、血液や唾液を用いてウイルスの存在を証明するための検査を行います。

顔面神経や内耳に障害が生じた場合には、誘発筋電図、耳小骨筋反射検査、聴覚評価、平衡機能検査、味覚検査なども検討されます。

治療

水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を抑制することを目的として、抗ウイルス薬が使用されます。同時に神経損傷を伴う場合には、ステロイド剤が使用されます。

神経障害が生じている場合は、後遺症を残さないためにも症状が現れてから数日以内での治療が必要です。また、高度な顔面神経麻痺に対しては、顔面神経減荷術という手術的治療が行われることもあります。

ストレスや疲れ、睡眠不足などの状況で水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化が生じるため、普段の生活から疲れやストレスを溜め込みすぎないように心がけることも大切です。

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