かたけんばんだんれつ

肩腱板断裂

同義語
腱板断裂
最終更新日:
2024年05月29日
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2024/05/29
更新しました
2020/12/22
更新しました
2019/01/15
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概要

肩には、肩関節の奥に筋肉の腱が集まって板状となった腱板(けんばん)と呼ばれる部分があります。肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)は、この腱板の一部、もしくは全てが断裂し、肩の動きに異常が生じたり、痛みが出たりする状態です。

腱板は肩甲骨(けんこうこつ)上腕骨(じょうわんこつ)の間に挟まれており、人体の構造上肩腱板断裂は起こりやすいといわれています。断裂した腱板が自然に元に戻ることはないため、症状の度合いに応じて手術を行います。

原因

肩腱板断裂は、加齢による腱板の変性(すり減るように傷んでくる)、腱板をすりつぶすような動きの繰り返し、外傷によって発症します。

野球の投球動作、水泳、テニスなど頭より上で腕の動作を繰り返し行うスポーツが原因で起こるほか、上にあるものを取ろうとしてひねった場合など日常動作によって断裂が起こることもあります。また、腕を使う機会の多い40歳以上の男性の右肩に好発することから、肩の使いすぎも原因の1つと考えられています。

症状

肩がまったく上がらないことはありませんが、腕を前や横から上げようとすると痛みを生じる・力が入らない・すりつぶすようなジョリジョリという音がするという症状がみられます。安静にしていても夜に痛みで眠れなかったり、筋力が落ちるため腕を真横に上げた状態を保つことが難しくなったりする場合があります。

五十肩とは異なり、関節の動きが固くなることは少ないとされています。変形性肩関節症頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)の症状と区別することが難しいケースもあります。

検査・診断

問診で筋力が低下していないか、どのような動きで痛みが出るかなどを確認します。

また、単純X線やMRIなどの画像検査を行います。X線では、肩甲骨と上腕骨との間が狭くなっていたり、肩甲骨の下のふちに骨のトゲのようなものができていたりする場合があります。MRIでは、断裂していないか腱板の状態を確認します。

治療

腱板が一部でも切れると、自然にまたつながることはないとされています。けがが原因で発症した場合は三角巾で腕を吊って1~2週間肩を安静に保ちます。安静にしても腱はつながりませんが、残った腱板の機能が活発になり、痛みや動きにくさは改善する場合が多いといわれています。

また、炎症を抑える薬や痛み止めを肩関節内に注射したり、痛みが治まってきたら適度に動かす運動療法を行ったりする場合もあります。

保存的に治療しても痛みや動かしにくさが改善しない場合は、手術を行い切れた腱板をつなぎ合わせます。関節鏡という細い管を関節に入れて行う低侵襲な手術が普及しています。

縫合が困難な例ではリバース型人工肩関節という特殊な人工関節を用いると、完全に腱板が機能しなくなっている方でも腕を上がるようにすることが可能です。ただし、リバース型人工肩関節はガイドラインに基づいた厳密な手術適応が定められているため、誰でも受けられるわけではありません。

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