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肺サルコイドーシス

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

肺サルコイドーシスとは、全身各所に「肉芽腫(にくげしゅ)」と呼ばれる塊が生じる病気です。肺サルコイドーシスは、肺において肉芽腫が生じたものを指します。早期の段階では症状がみられないことも多く、健康診断などで撮影された胸部単純レントゲン写真の異常をきっかけとして診断されることも少なくありません。また、全身に肉芽腫が生じる病気であるため、肺以外の部位に関連した症状が前面に出ることから診断に至ることもあります。

サルコイドーシスは難病指定を受けている疾患のひとつであり、人口10万人当たり1.7人の発生率であることが報告されています。性別により好発年齢が異なり、男性では若年者、女性では高齢者に多くみられます。
 

原因

サルコイドーシスで生じる肉芽腫は肺のみではなく、皮膚や神経、眼球など、全身のさまざまな部位に生じることがあります。肉芽腫を詳細に観察すると、ニキビの原因菌であるアクネ菌が存在することが知られています。アクネ菌自体は広く生息する細菌であり、通常は取り立てて大きな健康被害をもたらすことはありません。

しかし、アクネ菌に対してアレルギー反応が生じることがあり、肺サルコイドーシスにおける肉芽腫の原因になっていると考えられています。アクネ菌に対してのアレルギー反応は体質(個人的素因)と環境要因が組み合わさることで起こると考えられています。発症に関与する環境要因には、ストレスなどがあるのではないかと推測されていますが、科学的には証明されていません。
 

症状

肺サルコイドーシスでは、初期の段階で症状が現れることは少ないです。肺のなかでも「肺門リンパ節」と呼ばれるリンパ節が大きく腫れ上がることが特徴的です。そのため、健康診断で撮影されるレントゲン写真で、肺門リンパ節の腫れを指摘されることで病気が疑われることが多いです。

肺サルコイドーシスが進行すると、肺が固くなってしまいうまく空気を取り込むことができなくなってしまいます。すると、疲労感や咳、息苦しさなどの症状が出現します。さらに肺高血圧と呼ばれる病態が引き起こされることがあり、心不全症状(むくみや息切れなど)が生じます。

サルコイドーシスは、肺以外の全身各所でも肉芽腫が生じる病気です。心臓や神経、眼球、皮膚などに肉芽腫が生じ、これら臓器に関連した症状が現れます。また、発熱や疲労感、頭痛、関節痛などといった症状が生じることもあります。
 

検査・診断

肺サルコイドーシスは、健康診断などで行われる胸部単純レントゲン写真から疑われることが多いです。さらに画像的に状態を評価するために、CT検査も行われます。その他、血液検査や尿検査、ツベルクリン反応などの検査もおこなわれ、肺サルコイドーシスに特徴的な変化が生じていないかどうかを確認します。

また、気管支鏡を用いて病変部位の組織を採取し、顕微鏡的に観察することで肉芽腫が生じていないか確認します。気管支内を洗浄することで得られた検体を用いて、存在する細胞を評価することもあります。
 

治療

肺サルコイドーシスの診断が確実になった場合には、治療を要する場合は、ステロイドを第一選択薬として用いて治療を開始します。ステロイドの使用が長期間に渡ることもありますが、その際には胃潰瘍や感染症、糖尿病骨粗しょう症などの副作用が懸念されます。そのため、ステロイドの吸入薬を使用する、合併症の予防薬を併用する、などの工夫もなされます。

肺が固くなってしまい呼吸不全を起こすことがあります。この場合、酸素の使用や呼吸リハビリテーション、病状が進行した場合には肺移植も考慮されます。また、肺高血圧症を発症した場合には、抗肺高血圧薬、ペースメーカーの使用などが検討されます。

肺サルコイドーシスは、ステロイド中止とともに病状が悪化することもあります。副作用のコントロールを図りつつ、適正にステロイドを使用することが重要です。
 

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