るいびそ

類鼻疽

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

類鼻疽とは、類鼻疽菌によって引き起こされる感染症です。日本においては四類感染症に指定された感染症であり、病気の発生があった場合には医師の届出が義務づけられている病気です。流行地域への渡航に関連して類鼻疽菌に感染し、その後国内で発症する例の報告が散発されます。

*四類感染症とは「動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症」と定義されています。

原因

類鼻疽菌に感染することを原因として発症します。類鼻疽菌は、主に東南アジアやオーストラリア北部を中心として、世界各地で広く環境中に存在する細菌です。

環境中に存在する類鼻疽菌を吸い込んだり、水や食べ物と共に口から摂取したりすることで感染します。また、傷口などから類鼻疽菌が体内に入り込むこともあります。

類鼻疽は、類鼻疽菌に感染すると必ず発症するわけではなく、不顕性感染(感染したものの症状が現れない状態)も少なくはありません。しかし、糖尿病高血圧腎不全慢性閉塞性肺疾患喘息を持つ人や、過度のアルコール常習者の人は発症したり重症化することも知られています。

症状

類鼻疽菌に感染すると、通常1~21日ほどの潜伏期間で発症します。しかし、ときに数か月~数年という期間を経て病気の発症に至るケースもあります。無症状で経過することも少なくはありませんが、発症すると突然の発熱や倦怠感、寒気、体重減少などの症状が現れます。

肺炎を起こすこともあり、咳や痰、息苦しさなどの症状がみられる場合もあります。また、敗血症性ショックを起こすこともあり、その場合は命にかかわることもあります。

肺に病変(病気による変化)がみられることの多い類鼻疽ですが、そのほかにも皮膚や中枢神経、関節、骨髄(こつずい)などの臓器に病変を形成することがあります。

類鼻疽は一度感染すると、完全には体内から排除することが難しく、長期に渡って体内に潜伏することもありえます。その際には、長年の間症状はなくとも、突然症状が再燃(治まっていた症状が再び悪化する)することもあります。

検査・診断

診断は、皮膚や(うみ)、痰などの検体を用いて類鼻疽菌の病原体を分離して診断したり、PCR法と呼ばれる方法を使用したりして病原体特有の遺伝子を特定して診断することもあります。

類鼻疽では肺、皮膚、骨髄などにさまざまな病変をきたすことがあります。そのため、レントゲン写真や超音波検査、CTなどの画像検査や血液検査が行われます。

治療

類鼻疽は類鼻疽菌と呼ばれる細菌によって引き起こされるため、類鼻疽菌に効果が期待できる抗生物質を用いて治療します。

治療期間は長期間に渡ることもありますし、また一旦治癒したかに見えても後日再燃することもあります。そのため、症状の変化には注意を払うことが大切です。

類鼻疽菌は、地域流行性がある病気です。日本における発症例は、流行地域への渡航歴がある場合に集中しています。流行地域に赴く際には、感染予防のために不用意に汚染地域には出向かないことが大切です。また、怪我をした際などには、局所を洗い流すなどの処置を行い、清潔を保つことも重要です。

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