こっせつ

骨折

最終更新日:
2022年03月28日
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2022/03/28
更新しました
2017/04/25
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概要

骨折とは、骨に力が加わることによって骨が完全に折れる、またはヒビが入ったり、へこんだり、一部が欠けたりすることです。

基本的に骨は丈夫な作りになっており、なかでも健康的な若者は日常でかかる力の何倍もの外の力に耐えることができます。しかし、高齢者もしくは何らかの病気を抱えている場合では、骨の強度が弱っているために、たとえばつまずいて手のひらをついただけで手首が骨折してしまうケースもあります。

また、骨折の重症度はさまざまで、捻挫(ねんざ)だと勘違いし放置されてしまうこともあります。しかし、放置したためにより状態が悪くなったり、治るのが遅くなったりすることもあるので、骨折について正しい理解と早い段階での適切な治療が必要です。

 

種類

骨折はさまざまな種類があり、主に骨折の状態や原因、場所などで分類することができます。

骨折の状態

  • 完全骨折……完全に骨が折れている状態
  • 不全骨折……骨形は保たれているが、ひびなどが入っている状態

骨折の原因

  • 疲労骨折……骨の同じ部位に何度も負荷がかかることで骨が負荷に耐えられなくなって生じる骨折
  • 病的骨折……病気によって骨の強度が低下し、わずかな負荷でも生じる骨折
  • 外傷性骨折……外から強い力が加わったことで生じる骨折

 

原因

骨折は主に(1)外からの衝撃(2)疲労(3)病気が原因で生じます。

外からの衝撃

外から強い力が加わることで骨折が生じることがあります。たとえば、冬の道路の凍結によって滑って転んでしまい、腰や背中を強く打つことで大腿骨近位部や腰椎などの部位が骨折することがあります。このほか、スポーツや交通事故、喧嘩、転落などによる強い衝撃が原因となります。

疲労

スポーツなどによって骨に疲労が蓄積されたことで、骨が弱くなって軽い力で骨折が生じることがあります。たとえば、ジャンプやランニングなどによる小さな力でも同じ場所に何度も負荷が加わると、骨がそれに耐えられなくなります。

病気

何らかの病気にかかっていることで骨折が生じることがあります。具体的にはがんの転移、骨粗しょう症などが挙げられます。病気によってわずかな衝撃でも骨が折れやすい状態になっているほか、時には衝撃がなくても骨が潰れてしまい、背中や腰が曲がってしまうことがあります。

症状

主な症状は、骨折した部位に生じる痛みや腫れです。痛みは骨折した部位を動かしたり、負荷をかけたりすると強く痛むのが特徴です。進行すると、骨折した部位が変形したり、動かすことが難しくなったり、通常では曲がらない方向に曲がったりする場合もあります。

また、皮膚の下で骨折が生じた場合は内出血が出ることもありますが、ときに骨が皮膚を貫通することもあり、その場合は大量の出血が生じることもあります。

検査・診断

骨折が疑われる場合には、単純X線写真を撮影します。大半はX線で診断できますが、骨折の状態によってはCT検査が行われることもあります。

また、子どもの骨はX線では写らない場合もあるので、必要に応じて骨折がない側もX線写真を撮影することもあります。

治療

骨折の治療方法は原因や重症度、骨折した場所などによって異なりますが、基本は折れた骨を元の場所に戻して固定して安静を保つことです。固定方法は主に、外固定法と内固定法に分けられ、どれが選択されるかは骨折の重症度や場所、患者の希望によって異なります。

応急処置

骨折したときは、応急処置として安静・冷却・圧迫・拳上の4点を行うことが大切です。この4つの応急処置はそれぞれの頭文字を取り、“RICE(ライス)”と呼ばれることもあります。

応急処置を行った後は、速やかに病院の受診を検討しましょう。また、動けないなど重症な場合は、むやみに動かすことはせずすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。

骨折の応急処置“RICE”

  • 安静(Rest)……腫れや神経・血管に傷つかないようにするために、布やテーピングなどで骨折した部位を固定し、動かさないようにします。
  • 冷却(Ice)……腫れや細胞の壊死抑えるために、骨折した部位周辺を氷を入れたビニール袋などで冷やします。約15〜20分冷やしてから外し、痛みが出てきたらまた冷やします。これを断続的に繰り返します。
  • 圧迫(Compression)……内出血や腫れを防ぐため、骨折部位を弾力包帯やテーピング用のテープで適度に圧迫しながら固定します。
  • 拳上(Elevation)……腫れを防ぐ・和らげるため、骨折部位を心臓より高い位置に保ちます。

外固定法

皮膚の外側からギブスやコルセットなどの装具を用いて固定する方法です。たとえば手首の骨折では、4〜6週間程度はギプスで固定して様子を見ます。

内固定法(手術)

手術で金属製のねじやプレートなどを用いて皮膚の内側から直接固定させる方法です。重症な骨折や、関節や足に生じた骨折の場合などで検討されることがあります。

リハビリ

治療後にリハビリが必要になることもあります。骨折のリハビリは、一定期間固定することで動かすことができない場所の機能低下を防ぐために行われます。

予防

骨折しにくい丈夫な骨を作るためには、バランスのよい食生活を送ることが大切です。特にカルシウムやその吸収をサポートするビタミンDを積極的に取ることを心がけましょう。カルシウムは牛乳やいわしに多く含まれ、ビタミンDは卵やまぐろに多く含まれることが分かっています。また骨折の原因となる転倒や衝突などを防ぐため、自動車に乗る際にシートベルトをすることや、飲酒をする際は飲みすぎないようにすることなどを心がけましょう。

なお年齢や生活環境、基礎疾患によっても日常での注意点は異なります。日頃からスポーツなどを熱心に行っており体を酷使する傾向にある方は、準備体操をしっかり行い、トレーニング内容を見直すなど、体の一部分に負荷のかかりにくい工夫を取り入れましょう。また、高齢者や骨粗しょう症の人など骨が(もろ)くなっている可能性が高い人は、自宅の中でも骨折する危険があります。段差や階段などに注意し、手すりを取り付けるなど安全対策を行いましょう。筋力や柔軟性を高め、骨折を予防するため適度な運動を行うことも有用です。

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