飲み込みにくい:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授、東京医科歯科大学病院 摂食嚥下リハビリテーション科 科長
戸原 玄 先生【監修】
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野 講師
山口 浩平 先生【監修】
飲み込みづらさは日常生活上の好ましくない習慣が原因で引き起こされていることもあります。
物を正常に飲み込むには、喉周りの筋肉や神経が正しく機能することが必要です。年齢を重ねると筋肉や神経に異常がない場合でも機能が衰え、飲み込みが悪くなることがあります。
加齢は誰もが避けて通ることはできず、飲み込みに必要な筋肉や神経は衰えていきます。加齢による飲み込みの悪さを防ぐには、いわゆる“嚥下体操”と呼ばれる発声や舌の運動などをすることが大切です。口を大きく開ける開口訓練も効果的でしょう。
また、むせ込みやすくなったときは汁物にとろみをつけるなど、食事の形態に注意しましょう。
物を十分にかまずに飲み込んだり速いスピードで食べたりすると、むせ込むことで飲み込みづらさを感じることがあります。
飲み込みづらさを感じることなくスムーズな飲み込みを行うには、ゆっくりしっかりと咀嚼し、適度なペースで食事を取るようにしましょう。また、固形物だけではなく、汁物や飲み物も一緒に取るのも大切なポイントです。
食道の入り口は気管の入り口と隣接しており、物を飲み込むときに通常は声帯が閉じて飲食物や唾液が気管内に入り込まないようになっています。しかし、話しながら飲み込む動作を行うと気管に飲食物が入りやすくなるため、むせ込みや飲み込みづらさを感じることがあります。
家族や友人との食事では会話をすることが多いでしょう。誤嚥を防ぐために食事中の会話を一切中断する必要はありませんが、飲み込む動作に入るときは声を出すのをやめるようにしましょう。
上記で述べた日常生活上での対策を行っても症状がよくならないときは、思いもよらない病気が隠れていることがあります。その場合には放置せず、一度病院で相談するようにしましょう。