にょうたんぱくていせい

尿タンパク定性

腎臓
膀胱
尿管
尿・便検査
尿や便を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • (‐) もしくは陰性

尿の検査の中に尿タンパクという測定項目があります。これは、尿に含まれるタンパク質の量を表すもので、調べ方に「定性」と「定量」の2つが存在します。定性は尿中のタンパク質の有無のみを調べ、定量はタンパク質の量や濃度まで調べる測定法です。

定性検査は、提出した尿の濃度や条件によって偽陽性や偽陰性になりやすいため、主には広く異常の有無を見つける検査として用います。定性検査で異常が検出された場合や、尿タンパクの量の推移を確認する際には定量検査を行います。

この検査で判定が陽性となった場合には、主に糸球体腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎症といった腎臓の病気の可能性が疑われます。(尿路感染症、尿路結石といった泌尿器の病気によって陽性となることもあります。)

腎臓(糸球体)はフィルターのような役割を担う臓器で、血液中の不要な老廃物をろ過して尿を作り、体外に排出させるはたらきを持っています。しかし、血液中のタンパク質は大きな物質なので、通常はほとんどろ過されることがなく、再び血液中に戻ります。

腎臓や尿管などの泌尿器に異常があると、血液中に戻るはずのタンパク質がフィルターをすり抜けて尿中に漏れ出してしまうため、尿タンパクを測ることで泌尿器の異常の有無を調べることができます。

なお、尿タンパク定性では、一般的な尿検査と同様に採取した尿を試験紙に浸すだけで結果が分かります。尿タンパク定性は簡単に検査ができることから、健康診断や人間ドックなどにも広く活用されています。

尿タンパク定性は、上で述べたように健康診断や人間ドックで活用されている検査です。

また、症状などから腎臓の病気が疑われる場合、このような病気の治療中の経過をみる目的で検査が行われます。

ただし、尿タンパク定性は病気の可能性の有無を広く調べるもののため、この検査だけで診断を確定することはできません。

尿タンパク定性は、さまざまな要因によって検査結果が変動します。

影響を受ける要因として、激しい運動や入浴、ストレス、寒冷刺激、長時間の起立姿勢、妊娠や生理(月経)、脱水や水分の過剰摂取などが挙げられます。こういった要因があるときに尿検査を受けると正しい検査結果を得ることができないため、運動や入浴などは控えて検査を受けるようにしましょう。

妊娠中の場合には配慮してもらえるため問題ありませんが、生理中の場合は後日あらためて検査を受けることがすすめられます。そのため、生理中である場合は病院スタッフなどに伝え、生理が終わったあとに検査を受けましょう。

また、尿検査では尿タンパク定性以外にもさまざまな項目を測定する場合があります。飲食は構いませんが、項目によってはビタミン剤やドリンク剤、風邪薬が結果に影響を及ぼすこともあるため、検査前には控えるようにしましょう。

検査前に心がけるとよいこと

尿検査で使用する尿は、早朝に自宅で採取する場合と医療機関で採取する場合の2つのケースがありますが、いずれの場合も自分自身で採尿します。

通常、尿は中間尿(出始めと終わりを省く途中の尿)を使うため、特に指示がなければ必ず中間尿を採取するようにしましょう。

また、検査前にトイレに行くと検査で必要な尿量を確保できない可能性があるほか、結果に影響を及ぼす場合もあります。尿検査をスムーズに行えるよう、直前にトイレに行くのは避けるようにしましょう。

一般的に知られている尿検査で測定するので、時間はかからず痛みもありません。

尿タンパク定性の検査結果は、数字ではなく、(-)(±)(+)(2+)のように記号で表されます。

一般的には(-)が陰性、(±)が弱陽性で要注意、(+)以上が陽性で異常となります。ただし、医療機関によっては、(2+)を(++)と表すところや、陰性・陽性の範囲が異なる場合もあるため、結果については担当医の説明を聞くようにしましょう。

尿タンパク定性で陽性となった場合、腎臓の病気が疑われます。

尿タンパク定性の結果は運動やストレスなどさまざまな要因によって変動するため、一度陽性であっても再検査を行い、陰性であれば経過観察となる場合も珍しくありません。しかし、複数回陽性であったり、そのほかの項目にも異常を認めたりする場合は精密検査がすすめられることもあります。

精密検査では主に詳しい尿検査や血液検査を行い、必要に応じて腹部超音波やCTなどの画像検査、組織を針で採取する生検などが追加されます。このような検査を経て、診断を確定します。

また、尿タンパク定性は、すでに病名が分かっている人の治療中に経過をみる目的として行われることもある検査です。この場合には、陽性であったとしても改善傾向と判断されると特別な対応を必要とせず、現行の治療が継続されることも考えられます。

尿タンパク定性の結果が陽性となったあと、一般的には再検査・精密検査が行われます。

再検査は後日、精密検査は当日または後日となりますが、後日である場合には忘れずに受診し検査を受けるようにしましょう。

また、精密検査を経て何らかの病気であると分かった場合、その病気に対する治療が検討されます。

病気やその程度によって治療法が異なるほか、タンパク質を制限した食事など日常生活での注意点が指導される場合もあります。いずれにせよ医師の指示に従い、自己判断で通院を中断しないようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。