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ED(勃起障害)の治療薬について ~飲み方を誤ると効果が得られないことも。使用する際の注意点とは~

ED(勃起障害)の治療薬について ~飲み方を誤ると効果が得られないことも。使用する際の注意点とは~
木村 将貴 先生

杉山産婦人科新宿 男性外来担当、帝京大学医学部附属病院 泌尿器科 非常勤講師

木村 将貴 先生

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EDは陰茎が勃起しないというだけではなく、性交を行うのに十分なだけの勃起がおきない、または十分に勃起状態を維持できないため満足な性交が行えない状態のことで、日本語では“勃起障害”または“勃起不全”と呼ばれる病気です。

精神的ストレスなどが原因となる場合や、血管や神経の異常などが原因となる場合があります。若年者から高齢者まであらゆる世代にみられ、決してめずらしい病気ではありません。

EDの治療は、ED治療薬と呼ばれる薬を用いた薬物治療を中心として、原因に応じてカウンセリングや手術などを併用して行います。

それでは、ED治療の中心となる薬物治療にはどのようなものがあるのでしょうか。

EDの治療に用いられる薬には、ED治療薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)と、そのほかの内服薬があります。

EDの治療を希望して医療機関を受診した際に主に用いられるものはED治療薬と呼ばれるもので、日本では3種類のED治療薬が使用できます。

ED治療薬以外にもビタミン剤、漢方薬、血管拡張剤などが用いられることもありますが、補助的に用いられるものであり、ED治療薬のような著明な効果は期待できません。

また、市販されているサプリメントや精力剤にもEDへの効果を謳ったものが多数ありますが、医学的な効果が確かめられたものはないといわれています。

ED治療薬は医師により処方される薬で、ED治療の第一選択となる治療です。

日本で使用できるものにはシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルの3つがあります。いずれも基本的な効果は同じで、陰茎に直接作用して勃起の発現や維持を助けるはたらきがあります。効果を得るためには通常の勃起と同様に性的興奮が必要です。

いずれの薬も性行為の少し前の時間に服用する必要がありますが、服用してから効果が現れるまでの時間や効果が持続する時間は薬によって少しずつ異なります。

また、副作用の出方も少しずつ異なるため、どの薬を選ぶかは医師と相談しながら決めることになるでしょう。

ED治療薬の服用方法

ED治療薬は種類によって性行為の約1時間前または2時間前に服用します。しかし、効果が現れるまでの時間には個人差があるため、効果がみられない場合は何度か服用時間をずらして自分に合ったタイミングを見つける必要があります。

また、ED治療薬を使用して勃起を得るためには性的刺激が必要ですが、ED治療薬そのものには性欲を高める効果はありません。性的空想や視覚的な刺激だけでは効果が得られない場合もあるため、なるべく直接的な性的刺激が必要になります。

ED治療薬の副作用

ED治療薬には血管を広げる作用があるため、顔のほてり、頭痛、動悸などの副作用がみられることがあります。いずれも重いものは報告されておらず、程度は軽いと考えてよいでしょう。

ED治療薬を使用できない人

ニトログリセリンや特定の抗不整脈薬などを使用している人や、6か月以内に脳梗塞もしくは心筋梗塞を発症した人はED治療薬を使用できない場合があります。そのため、ED治療薬を処方してもらう際には医師の診察が必要になります。薬によっては透析患者さんや、抗HIV薬を服用している方は禁忌であり、使用できません。

ED治療薬は、病院または病院で処方箋をもらった後に調剤薬局で購入することができます。保険適用されない薬のため、価格は病院や薬局によって自由に決められています。購入する際には医師の診察と処方箋が必要です。

EDの治療は、ED治療薬をはじめとした薬以外にもさまざまなものがあります。

ED治療薬と併用することで効果の向上が期待できる場合や、ED治療薬が使用できない場合またはED治療薬で効果が得られない場合には、以下の治療が行われることもあります。

  1. カウンセリング:対話によって患者の悩みや精神面に向き合います。EDに心理的な原因が関与している場合に有効です。
  2. 陰圧式勃起補助具:陰茎に陰圧をかけて血液を吸引し、疑似的な勃起状態を起こす器具です。
  3. 男性ホルモン補充療法:男性ホルモンを注射し、勃起機能や性欲を改善する治療です。男性ホルモンが低下している場合に効果があります。
  4. 外科手術:陰茎における血流などの異常が原因となっている場合に、原因を改善する外科手術を行います。

有効性が証明されたED治療薬を使うためには、医師の診察と処方箋が必要です。

インターネット通販では処方箋なしで買えるED治療薬が数多く流通していますが、これらの大部分は偽物であるともいわれており、製造環境も粗悪なものが多いようです。効果がみられないばかりか健康被害も多数報告されていますので、必ず正しい方法で購入するようにしましょう。

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  • 杉山産婦人科新宿 男性外来担当、帝京大学医学部附属病院 泌尿器科 非常勤講師

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