ほくろ

ほくろ

(色素性母斑)

※この用語は、医学的には病名ではない場合、もしくは病名として認められつつある段階である場合があります。また、医療や身体にまつわる一般的な用語を掲載している場合があります。

最終更新日:
2020年09月25日
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2020/09/25
更新しました
2017/04/25
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概要

ほくろとは、成長過程において色素細胞になりきれなかった母斑細胞(ぼはんさいぼう)という細胞が増殖することで生じる、良性の皮膚の腫瘍(しゅよう)の一種です。医学的には、母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)あるいは色素細胞母斑と呼ばれます。

見た目だけでは、ほくろと皮膚がんの区別はつきにくいことが多いため、大きめのほくろの場合は皮膚科を受診して診断を受けることが重要です。良性であれば治療は必要ありませんが、取り除く場合は手術や炭酸ガスレーザーによって除去します。

原因

ほくろは、成長過程において色素細胞になりきれなかった母斑細胞という細胞が、増殖することで生じます。生まれたときにすでに生じているものもあれば、成長する途中で新たにできてくるものもあります。

症状

ほくろには、平坦なものや盛り上がったもの、真っ黒なものや肌色に近いものまでさまざまな種類があります。

生まれつきでないほくろの場合、通常6〜7mm程度までの大きさであることが多いです。一方、生まれつきできているほくろ(先天性色素細胞母斑)は、時に20cm以上の大きさとなる場合があります。生じる部位は、顔、首、腕や体が比較的多いです。そのほかにも、特殊なほくろとして“サットン母斑”や“青色母斑”と呼ばれるものがあります。爪の根本にできたほくろの場合、爪に黒い縦線が入っているようにみえます。

いずれのタイプでも、見た目だけではほくろと皮膚がんの区別はつきにくい場合があるので、皮膚科を受診して正しい診断を受けることが重要です。

検査・診断

ほくろの正しい診断にはダーモスコピーが有効です。悪性黒色腫メラノーマ)を含めていくつかの皮膚がんの初期病変はほくろに似ており、見た目では区別がつきにくいことがあります。

ダーモスコピー検査とは、ほくろなどに超音波検査用のジェルを塗布してから、ダーモスコープという特殊な拡大鏡を皮膚面に当て、皮膚に分布するメラニン色素や毛細血管の状態を調べる検査です。皮膚を観察して、必要に応じてデジタルカメラで記録するだけなので、痛みはまったくありません。

悪性の可能性がある場合は、ほくろの一部、または全体を切除して、顕微鏡による検査(病理組織検査)を行います。

治療

ほくろは良性のできものなので無治療でも構いませんが、見た目が気になる場合や、がんの可能性がある場合行われる標準的な治療は手術です。

大きさにもよりますが、通常は局所麻酔の注射をして腫瘍を切り取り、必要に応じて縫い閉じます。病院やクリニックで設備があるところでは炭酸ガスレーザーを照射して削り取る治療も可能です。ほくろの盛り上がりの程度によっては、メスによる切除と炭酸ガスレーザーを組み合わせて治療することもあります。

皮膚がんが少しでも疑われる場合は、手術で取り除いたほくろを顕微鏡検査で診断することが望ましいでしょう。

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