かんらくせいじょうがくどうえん

乾酪性上顎洞炎

最終更新日:
2018年09月14日
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2018/09/14
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概要

乾酪性上顎洞炎とは、アスペルギルスやムコールなどの真菌が原因となって引き起こされる上顎洞炎のことを指します。上顎洞は副鼻腔のなかにあるもっとも大きな空洞です。

が溜まる蓄膿のような症状が現れますが、乾酪性上顎洞炎では蓄積する物質がチーズのように見えることから病名に「乾酪」という言葉が付いています。

複数回の処置が必要となることもあり、治療経過が慢性化することもあるため、根気よく向き合うことが必要な病気です。

原因

乾酪性上顎洞炎は主に、アスペルギルスやムコールといった真菌を原因として発症します。

上顎洞は、副鼻腔のなかでも頬の骨の部分に存在する空洞です。副鼻腔は、鼻や口などと空間的な交通性を持っているため、空気中に広く存在する真菌が上顎洞に入り込むことがあります。その結果、乾酪性上顎洞炎を引き起こすことがあります。

乾酪性上顎洞炎は、誰にでも起こる可能性がありますが、ステロイドや免疫抑制剤の使用中であるなど、免疫機能が通常よりも落ちている方に起こりやすい傾向にあります。

症状

乾酪性上顎洞炎では、いわゆる蓄と認識される症状が現れます。具体的には、鼻詰まりや悪臭のする鼻水などが挙げられます。上顎洞で組織破壊が起こることから、鼻血が見られることもあります。

また、上顎洞の空間は限られたスペースであり、その内部で乾酪性の物質が蓄積することで内部の圧が高くなります。その結果として、頬や鼻などの痛みが誘発されることもあります。また、炎症の広がり具合によっては、眼球運動に支障が生じることもあります。

検査・診断

乾酪性上顎洞炎は、レントゲンやCT検査によって病気の存在が疑われます。

具体的には、こうした画像検査を通して、上顎洞内の粘膜が正常よりも分厚くなっている状況や、内部に異常構造物が蓄積している状況などが観察されます。

ただし、こうした画像上で見られる変化は乾酪性上顎洞炎以外の病気でもみられることがあります。そのため、実際に病変部位に針を指し、内部の蓄積物がチーズのような乾酪様物質であることを確認することもあります。

また、原因となっている病原体を特定することを目的として、得られた検体を顕微鏡で観察したり、培養検査を行ったりすることもあります。

培養検査で病原体が特定された際には、実際にどのような薬剤に感受性があるかを評価するために、薬剤感受性検査と呼ばれる検査が追加されることもあります。

治療

乾酪性上顎洞炎では、乾酪性物質の除去を目的として、上顎洞を洗う穿刺(せんし)洗浄療法が行われることがあります。

また、病状に応じて病原体に効果のある抗真菌薬の使用や、痛みの対処を目的とした鎮痛剤などが併用されることもあります。病巣のコントロールが困難な場合には、手術的な治療介入が必要となることもあります。

周囲の組織に炎症が波及したり、慢性化したりすることもあるため気になる症状がある際には早めに医療機関の受診を検討することが大切です。

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