にょうどうえん

尿道炎

最終更新日:
2023年05月22日
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2023/05/22
更新しました
2017/04/25
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概要

尿道炎とは、病原体が尿道口から侵入して尿道の粘膜に感染し炎症を引き起こす病気です。

尿道炎は性感染症に含まれ、主に性行為によって淋菌(りんきん)やクラミジアなどに感染することで生じます。

発症すると男女ともに、排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状がみられ、尿道口からが出ることもあります。

尿道炎では病原体に対する薬を用いて治療を行いますが、病原体によって効果的な薬が異なるため、症状がある場合には泌尿器科を受診して検査・治療を受けることが大切です。

また、尿道炎の多くは性行為によって起こることから、セックスパートナーも一緒に検査と治療を受ける必要があります。

原因

尿道炎のもっとも一般的な原因は、淋菌感染症(淋病)の原因菌である“淋菌”と、クラミジア感染症の原因菌である“クラミジア・トラコマチス”です。これら2つの細菌に同時感染する例も多くあります。

そのほか、マイコプラズマ・ウレアプラズマなどによって尿道炎を引き起こすことがあり、このような細菌・ウイルスは通常、性行為によって尿道から入り込んで感染します。

感染は普通の膣性交だけでなく、口腔(こうくう)性交(オーラルセックス)によっても起こります。この場合、セックスパートナーの咽頭(いんとう)に病原体が潜んでいると考えられます。

症状

尿道炎を起こしても無症状の場合もありますが、通常は男女ともに排尿痛、尿意切迫、頻尿などの症状が現れます。淋菌やクラミジアが原因の場合、尿道口から透明~黄緑色のが出ることもあり、特に男性で多くみられます。淋菌性尿道炎は潜伏期間3~7日、クラミジア性尿道炎では潜伏期間1~3週と比較的長いです。また、淋菌性尿道炎は発症が急激です。

一般的に淋菌では黄緑色の粘々とした膿が大量に出て排尿痛が強く、淋菌以外の病原体では透明の薄い膿が少量出て排尿痛が軽い傾向があります。

検査・診断

尿道炎の診断には、症状や性行為の有無などを確認したうえで、尿検査が行われます。

尿道口からが出ている場合には、柔らかい綿棒を使って尿道口から膿を採取し、これを培養したり(培養法)、病原体に特異的な遺伝子を増幅させたり(核酸増幅法)して、病原体の種類を確認します。

通常、淋菌では培養法あるいは核酸増幅法が用いられ、クラミジアにおいては培養が困難なため、核酸増幅法によって確認します。

治療

尿道炎では抗菌薬による治療が基本です。病原体を特定するのに数日間の検査期間を要するため、検査結果が出る前に、もっとも一般的な病原体である淋菌やクラミジアを対象とした抗菌薬による治療を開始する場合もあります。

薬としては、主に淋病にはセフトリアキソン(静脈注射1回のみ)、クラミジアにはアジスロマイシン(経口投与1回のみ)などが用いられます。淋菌とクラミジアの2つの細菌に感染する例も多いため、混合感染を考慮して淋病とクラミジアの治療を同時に行うこともあります。

自己判断で治療を中止すると再発する場合があるほか、最初の薬が効かずほかの薬に変更する必要が生じる場合もあることから、医師の指示にしたがって治療を行うことが大切です。

また、尿道炎の多くは性行為によって感染するため、ピンポン感染(男女間で互いに感染させる)を防ぐために、セックスパートナーも一緒に検査・治療を受け、完全に治癒するまで性行為を控えるようにしましょう。

予防

尿道炎を防ぐために、コンドームを常に正しく使用するようにしましょう。また、膣性交だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)でも感染するということを十分に理解し、感染が疑われる相手との性行為を避けることが大切です。

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