だぼくしょう

打撲傷

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

打撲傷とは、転倒や転落、殴打などによって体の一部に強い衝撃が加わることで皮下組織や筋肉にダメージが加わった鈍的外傷のことです。一般的には「打ち身」と呼ばれています。

皮膚に傷口はないものの、皮下組織や筋肉などが挫滅(ざめつ)し、微小な血管が破壊されることでアザが生じ、腫れや痛みを伴います。

症状の程度はさまざまですが、日常生活でできる打撲傷は数日から数週間で治るものがほとんどです。

しかし、事故や転落など強い衝撃による鈍的外傷ではコンパートメント症候群といわれる状態となることもまれではありません。外力が強いときには臓器損傷にも注意が必要です。

また、関節に重度な打撲傷ができると関節運動が妨げられることもあり、早期に適切な処置が必要になることもあるので注意が必要です。

*コンパートメント症候群とは、大きな血管や神経にまでダメージが加わり、高度な腫れや出血によって筋膜で覆われる区画(コンパートメント)内部の圧が高くなり、重篤な場合では組織への血流が途絶えて、まれに壊死(えし)が引き起こされることもある状態です。

原因

打撲傷は、体の一部に衝撃が加わることで生じる外傷の一種です。衝撃の原因は、日常生活の中での些細な転倒や物への衝突などから、交通事故や転落、他者からの殴打などの高度なダメージが加わるものまでさまざまなものがあります。

私たちの体は、皮膚はもっとも外部からの鈍的なダメージに強く、破綻しにくい構造になっています。そのため、衝撃が加わっても皮膚だけは破綻せずに、皮膚の下にある皮下組織や筋肉、血管などにダメージが加わって挫滅を生じることがあります。

この状態が打撲痕ですが、重度なものでは皮下に大きな血の塊を形成したり、腫れがひどくなると組織内の圧力が高くなって周辺の血流が途絶え、まれに壊死が生じたりすることもあります。

症状

軽度な打撲傷では、患部の痛みや腫れ、熱感、発赤などが生じ、多くは数日から数週間で治ります。ダメージが加わった際に小さな血管が損傷すると、あざを作ることもありますが、特別な治療を必要とせずに自然に消失することがほとんどです。

また、大きなダメージが加わると、皮下組織や筋肉だけでなく大きな血管や神経、(けん)などを損傷して皮下血腫を形成したり、しびれが生じたりすることもまれではありません。また、外力が強いときには臓器損傷にも注意が必要です。

皮下血腫が大きくなり、組織内の圧力が上昇すると、血流が阻害されて周辺組織が壊死するコンパートメント症候群(前述)を発症することもあるので注意が必要です。

検査・診断

打撲傷は外傷の一種ですが、しばしば同時に骨折を起こしていることがあります。骨折でも患部の痛みや腫れなどの打撲傷と共通した症状がみられるため、骨折との鑑別(見分けること)を目的として一般的にレントゲン検査(X線)やCT検査などの画像検査が行われます。

また、大きな血腫を形成していたり、コンパートメント症候群を発症したりしている場合には、CT検査を行って血腫の大きさや、筋肉の腫脹の程度などを評価して治療方針を決定します。

頭部や腹部、胸部などの打撲傷は脳、肺、腹部臓器などの重要な臓器を損傷している危険性もあり、外傷ダメージの程度や全身状態を考慮してエコー検査やCT検査で損傷の有無を確認する必要もあります。

治療

多くの打撲傷は患部の冷却や圧迫を行うことで症状は改善しますが、痛みが強い場合には消炎鎮痛剤の内服治療が同時に行われます。また、患部はなるべく安静に保つ必要があり、場合によってはシーネ固定が行われることもあります。

また、保存的に経過を見ても消失が期待できないような大きな血腫が形成されている場合には、血腫をドレナージをしたり、除去する手術が行われたりすることがあります。

さらに、コンパートメント症候群まで進行した場合には、腫れあがって緊満した筋膜を広く切開し、組織内の圧力を低下させる処置が取られます。

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