ほうしゃせんひふえん

放射線皮膚炎

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

放射線皮膚炎とは、代表的にはがんの治療で使用される放射線によって引き起こされる皮膚症状のことを指します。原因となる放射線照射からおよそ2週間前後を経て発症するといわれています。

具体的には、皮膚が赤くなり、その後、皮膚がめくれてしまうなどの症状が現れます。慢性的に放射線があたることで発症する放射線皮膚炎では、皮膚がんを併発する可能性もあります。

原因

放射線皮膚炎の原因は、皮膚に放射線があたることです。特に、放射線はがん治療の一環として使用されることも多く、放射線治療の副作用のひとつとして皮膚炎が発症します。

放射線治療で使用される放射線は体内に存在するがんに向けてあてられますが、外部から放射線をあてる際には皮膚を通過する必要があります。皮膚は新陳代謝が活発な組織であり、放射線の影響を受けやすい部位であるといえます。特にがんの組織が皮膚に近い場合には、放射線が正常な皮膚にも多くあたる傾向があるため、放射線皮膚炎を発症しやすくなります。そのほか、乳房、腋窩(えきか)鼠径部(そけいぶ)などに放射線があたる場合にも、放射線皮膚炎が生じやすいです。

さらに、糖尿病膠原病(こうげんびょう)喫煙習慣なども、放射線皮膚炎発症のリスク因子であると考えられています。がん治療の一環として発症することの多い放射線皮膚炎ですが、そのほか、事故による放射線被爆をはじめ、一定量の放射線にあたる状況においては皮膚炎を生じることがあります。

症状

放射線皮膚炎は、原因となる放射線照射からおよそ2週間前後を経て発症します。皮膚に少し赤みが現れてから発症することが多く、時間経過と共に皮膚がめくれたり、水ぶくれを形成したりします。痛みを感じることも少なくありません。特に皮膚がこすれることで、皮膚症状が悪化しやすい傾向にあります。

また、時間経過と共に色素沈着をきたすことや、照射部位に一致して脱毛が生じたり、皮膚の一部が固くなったりすることもあります。さらに重症になると、皮膚潰瘍や壊死(えし)が生じ、手術療法が必要なこともあります。

また、慢性的に放射線が照射されるような状況では、皮膚がんを発症することがあります。

検査・診断

がんの治療に関連して起こる放射線皮膚炎は、臨床の経過から診断することになります。また、慢性的に放射線があたっている状況では、皮膚がんを発症することもあります。皮膚がんの発症が疑われる場合には、がんが発生しているかどうかを調べる必要があります。具体的には、皮膚の一部を採取して病理組織検査が行われることがあります。

治療

放射線皮膚炎は、放射線があたった部位をこすることで悪化しやすいです。そのため、シャワーなどで身体を洗う際には、力を入れて洗うのではなく、石けんの泡で優しく洗うことが大切です。また、衣服についても、あまり密着感の強いものではなく、肌との接触に余裕のあるものを選ぶようにしたほうがよいでしょう。

皮膚のひりひり感やほてりといった自覚症状がある場合には、保冷剤などを用いて局所を冷やすことも行われます。正常な皮膚がはがれてしまい、びらん(ただれること)になってしまった場合には、軟膏を用いて対応することも検討されます。

皮膚潰瘍や壊死などが生じた場合には、皮膚移植を含めた外科的な処置も検討されます。慢性的に放射線があたることで発症する放射線皮膚炎では、皮膚がんの併発がみられるケースもあります。この場合には、外科的な切除を含めてがんに対しての治療介入が検討されます。

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