せいそうねんてん

精巣捻転

(精巣捻転症)

同義語
精索捻転症
最終更新日:
2022年11月28日
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2022/11/28
更新しました
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概要

精巣捻転とは、精巣(せいそう)と体の中をつなぐ細い管である“精索(せいさく)”がねじれることで内部に走行する血管が締め付けられ、精巣への血流が途絶えることで最終的に壊死(えし)に至る病気のことです。12~18歳くらいの男児にみられやすく、突然発症するのが特徴で、非常に強い痛みや吐き気、陰嚢(いんのう)の腫れを引き起こします。発症してから6~12時間以内に精索のねじれを戻す治療を行わなければ、精巣が壊死して摘出の必要が生じるケースも少なくありません。

精巣捻転が生じる原因ははっきり分からないことも多いですが、精索や精巣を覆う膜などの発達に異常がある場合に発症しやすくなるとされています。

原因

精巣捻転は、体と精巣をつなぐ精索と呼ばれる管がねじれることで、血流が途絶えるために引き起こされる病気です。どのようなメカニズムで精索がねじれるのか明確には解明されていませんが、精索や精巣を覆う膜の発達に異常があると発症するリスクが高くなると考えられています。

また、夜中や早朝などの就寝中に突然発症することが多いのも特徴の1つとされています。原因がはっきり分からないことが多い一方で、陰部の打撲など明らかなきっかけによって発症することもあります。

症状

精巣捻転は就寝中などに前触れなく突然発症するのが特徴で、陰嚢から下腹部にかけて非常に強い痛みが引き起こされます。吐き気や嘔吐、発熱などを伴うことも多く、正確に症状を伝えられない小児では急性腹症などが疑われて発見が遅れることも少なくありません。

また、精巣捻転は精巣に栄養を送る血管が含まれる精索がねじれるため、精巣への血流が途絶えていきます。早急に対処をしなければ精巣の壊死を引き起こすこともあります。また、壊死に至らない場合でも血流が低下した状態が長く続くと、精子を作る能力が低下して将来的に不妊症になる可能性もあります。

検査・診断

精巣捻転が疑われる場合は、以下のような検査が行われます。

画像検査

精巣捻転の診断に適しているのは、精巣への血流の状態を評価することができるドップラー超音波検査です。

一方、精巣上体炎など別の病気でも精巣捻転と似た症状が起きることもあるため、鑑別をするためにCTなどの画像検査を行うこともあります。また、嘔吐や腹痛の訴えが強い場合はイレウスなどの併発の有無を調べるためにX線検査やCT検査が必要となります。

血液検査

炎症の程度など全身の状態を調べるために血液検査を行うのが一般的です。

治療

精巣捻転は精巣への血流が低下したり途絶えたりする病気であるため、発症した場合は早急に精索のねじれを元の状態に戻す治療が必要となります。治療にはねじれを元に戻し、精索を固定して再びねじれが生じないようにする手術が必要です。また、通常は精巣捻転は片方に発症しますが、反対側に発症する可能性もあるため同時にねじれを予防するために反対側の精索を固定するのが一般的です。

なお、手術は発症後6~12時間以内に行うことが望ましいとされており、それ以上時間が経過すると精巣が壊死する可能性が高くなります。万が一、精巣が壊死した場合は摘出する必要があります。

予防

精巣捻転ははっきりした原因が不明なため確立した予防方法はないのが現状です。

しかし、上述したように、精巣捻転は早急な診断・治療を行わなければ精巣が壊死して摘出せざるを得なくなったり、精子を作る能力が低下して不妊症になったりする可能性があります。自分の症状をうまく伝えられない幼児は発見が遅れるケースもあるため、急激な強い腹痛などを訴えたときは注意が必要です。また、思春期以降では陰嚢の痛みを医師に相談することがはばかられ、診断が遅れることも少なくありません。精巣捻転が疑われる症状があるときは症状を正確に医師に伝えるようにしましょう。

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