けいこつえんいたんこっせつ

脛骨遠位端骨折

最終更新日:
2018年11月16日
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2018/11/16
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概要

脛骨遠位端骨折(けいこつえんいたんこっせつ)とは、足関節付近で下腿(膝から下の脚)の骨である脛骨に生じる骨折のことです。

膝から足関節までの下腿には2本の長い骨があり、内側にある太いものを脛骨、外側にある細いものを腓骨(ひこつ)と呼びます。脛骨は膝に近い部位では大腿骨と膝関節を構成し、足に近い部位では腓骨、距骨(きょこつ)(かかとの骨)とともに足関節を構成します。特に、足関節の内側には脛骨の一部が突出しており、内果(内くるぶし)として触れることができます。

脛骨遠位端骨折は、この足関節付近で脛骨の骨折を生じるもので、脛骨遠位端にも骨折が生じる果部(かぶ)骨折、脛骨の荷重部で骨折が生じる脛骨天蓋(けいこつてんがい)骨折が挙げられます。いずれも非常に強い外力が加わったときに生じるのが特徴です。

原因

脛骨の遠位端に生じる骨折は大きく2つに分けられ、果部骨折と脛骨天蓋骨折があります。いずれも非常に大きな外力が加わったときに生じますが、外力の種類はさまざまです。

果部骨折

主に跳躍を必要とするバスケットボールやバレーボールなどのスポーツや、転倒によって生じる骨折です。足が固定された状態で足関節に強い内外反やひねりなどの外力が加わると、足関節の靭帯が損傷したり距骨が脱臼したりすることで、内果を含めた脛骨の一部に骨折を生じます。

脛骨天蓋骨折

高所からの転落や交通事故などによって、脛骨に縦方向の強い外力がはたらくことが原因となります。脛骨の骨幹端部から足関節にかけて生じます。

症状

いずれの場合でも足関節周囲に非常に強い痛みと腫れ、皮下出血などの一般的な骨折症状が現れます。転落や交通事故などにおける高度な外力が原因である場合には、脊椎や骨盤の骨折、脊髄損傷などの重篤な外傷を併発することが多く、神経障害や骨折部からの多量出血によるショック状態を呈することもあります。

また、果内部骨折では距骨の脱臼や骨折部の偏位によって足関節の外反・内反といった変形が見られることもあります。脛骨天蓋骨折では、立位や歩行が困難となったり、足関節が大きく腫れあがったりすることがあります。ひどい場合では水疱を形成することもあります。

脛骨周囲は脂肪や筋肉などの組織が少ないため、骨折部は微細な偏位でも骨折片が皮膚を圧迫し、治療が遅れると皮膚の壊死を生じることも少なくありません。

検査・診断

レントゲン(X線)検査により骨折の有無を明瞭に評価することが可能です。レントゲン(X線)検査は、もっとも簡便に行える検査です。しかし、粉砕骨折や偏位が著しい骨折の場合には、骨折部位の全貌を把握するために3D-CT検査が行われることが多いです。

また、交通事故や高所からの転落などによる骨折の場合には、バイタルサインの慎重な観察が行われます。また、超音波検査や全身CT検査によって腹腔内出血や気胸、頭蓋内出血の有無を調べます。

治療

脛骨遠位端骨折(けいこつえんいたんこっせつ)では、その原因によってそれぞれ治療が異なります。

内果骨折

骨折部の偏位や脱臼による足関節の変形が著明でない場合には、ギプス固定などの保存的な治療を行います。変形が著しい場合には、骨折部を整復してねじを刺入して変形の矯正し内固定を行います。刺入したねじは骨が癒合した段階で抜去可能となります。

脛骨天蓋骨折

足関節の機能障害を防ぐためにも正確な整復が必要となります。このため、偏位がまったくない軽微な骨折であればギプス固定などの保存的治療を行いますが、多くはネジやプレートを使用して偏位部を整復し固定する手術が必要となります。

また、粉砕が激しく、正確に整復できない場合には、欠損部分に自分の腸骨の一部や人工骨を移植することもあります。強固に骨折部を固定した後には、足関節の拘縮を防ぐためになるべく早期に足関節を動かすリハビリを開始することが推奨されています。

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