おうはんじすとろふぃ

黄斑ジストロフィー

最終更新日:
2023年12月26日
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2023/12/26
更新しました
2017/04/25
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概要

黄斑ジストロフィーとは、目の奥の網膜の中心部にある“黄斑”と呼ばれる部位が障害されることで視力低下や視野の異常が生じる病気の総称です。黄斑は視力を維持するための重要な部位であり、黄斑ジストロフィーではゆっくりと黄斑が障害されていくのが特徴です。遺伝子異常に伴う病気とされ、日本では難病の1つに指定されています。

黄斑ジストロフィーは子どもから高齢者まで幅広い年代で発症する可能性があり、視力や視野の異常が進行していくため日常生活に支障をきたすようになります。現在のところ根本的な治療法は確立されておらず、遺伝子治療などの開発が進められています。

原因

黄斑ジストロフィーは、遺伝子の変異によって黄斑の構造や機能に異常が生じることで発症することが分かっています。

また、黄斑ジストロフィーにはいくつかのタイプがあり、それぞれ異なる遺伝子の変異によって発症することが確認されています。しかし、全ての原因遺伝子変異が特定された訳ではありません。遺伝子変異があっても子どもに遺伝しないタイプもあり、はっきりした原因が分からないケースも少なくありません。

症状

黄斑ジストロフィーは視力をつかさどる目の奥の黄斑の機能や構造が徐々に障害されていく病気です。そのため、病気のタイプによっても異なりますが、発症すると視力低下や中心視野の異常、色覚の異常、羞明(通常の明るさでもまぶしく感じること)などといった、見え方の異常がゆっくりと引き起こされます。通常、視野の異常は視野の中心部に現れやすく、周辺部位の視野は残るため完全に失明することはありません。

進行すると眼鏡などで視力を矯正しても十分な視力を得ることができないことも多く、視野も欠けていくため日常生活に支障をきたすようになります。

検査・診断

黄斑ジストロフィーが疑われるときは以下のような検査が必要となります。

矯正視力検査・視野検査

眼鏡矯正したうえで視力低下の程度を調べ、見えづらい範囲を測定する視野検査が行われます。

眼底検査

眼底(目の奥)の黄斑の状態を詳しく観察するため、眼底写真や蛍光眼底造影で黄斑部萎縮の有無などを確認します。

電気生理学的視覚機能検査

視覚的な刺激に対して網膜に生じる電気的な興奮の状態を計測する検査です。黄斑ジストロフィーでは電気的な反応が弱くなるのが特徴です。

光干渉断層計(OCT)検査

近赤外線を目の奥に当てて網膜の断面図を描出する検査です。黄斑ジストロフィーでは黄斑部に構造的な異常が確認されます。

眼底自発蛍光検査

眼底からの自発蛍光を検出するカメラを用いて、網膜の異常とその範囲を調べます。

治療

黄斑ジストロフィーは遺伝子の変異によって引き起こされるとされていますが、現在のところ根本的な治療法はありません。

また、進行すると眼鏡などで視力を矯正しても0.1以下であることも多く、加えて視野の欠損も生じるため日常生活に支障をきたすケースは少なくありません。特に若い頃に発症したケースは症状が重いケースが多く、眼鏡などの一般的な視力矯正だけでなくルーペや拡大読書器といった補助具が必要になることもあります。また、継続した生活や就職の支援が必要なこともあります。羞明に対しては遮光眼鏡が有効な場合があります。

予防

黄斑ジストロフィーは遺伝子変異によって視力や視野が進行性に障害されていく病気です。現在のところ、確立した予防法はありません(2023年8月時点)。

黄斑ジストロフィーは家系内に発症者がいなくても発症することもあるため、ものの見え方に異常を感じた場合は放置せずに医師の診察を受けることが大切です。

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