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山梨県立中央病院 心臓血管外科におけるステントグラフト内挿術をはじめとする大動脈瘤治療のポイント

山梨県立中央病院 心臓血管外科におけるステントグラフト内挿術をはじめとする大動脈瘤治療のポイント
津田 泰利 先生

山梨県立中央病院 心臓血管外科部長・循環器病センター長

津田 泰利 先生

目次
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大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)に対する治療の1つであるステントグラフト内挿術は、患者さんの体の負担を軽減することが可能です。しかし、デメリットも存在するため、病気や患者さんのご希望などを基にさまざまな観点から治療方針について検討する必要があります。

今回は、山梨県立中央病院 心臓血管外科で実施しているステントグラフト内挿術をはじめとする大動脈瘤治療の特徴を中心に、山梨県立中央病院 心臓血管外科の津田 泰利(つだ やすとし)先生にお話を伺いました。

ステントグラフト内挿術は大動脈の両端にステントグラフトを通して動脈瘤内に血液が流れ込まないようにする治療です。胸腹移行部(胸部から腹部にかけてまたがる部分)や心臓の出口付近にできた動脈瘤ならびに、動脈瘤の両端にある程度の長さ(1.5~2.5cm以上)の正常血管部分がない動脈瘤の場合には一般的にステントグラフト内挿術の治療適応外となります。外科的治療の適応となる大動脈瘤のうち、このような物理的に不可能な症例を除き、ステントグラフト内挿術の対象となりうると考えていただければよいでしょう。

ステントグラフト内挿術は切開部分が小さいため、患者さんの体の負担が少ない治療です。したがって、術後翌日から食事をしたり歩いたりすることができ、入院期間も短く済みます。

高齢の方は短い期間でも病床に伏すと起立や歩行などの術前にできていた行為ができなくなる(廃用症候群)傾向にありますが、ステントグラフト内挿術であればこれらのリスクを回避することにつながります。

ステントグラフト内挿術は、患者さんの負担を軽減できるため高齢の患者さんを中心に適応となっています。なお、お仕事で長期間休めないなどの理由で現役世代の患者さんがステントグラフト内挿術を選択される場合もあります。

また、肺疾患や開腹術・開胸術の既往をお持ちの方もステントグラフト内挿術の適応となります。

ステントグラフト内挿術は大動脈瘤を取り除く治療ではないので、動脈瘤は体にそのまま残ります。これ自体に問題はありませんが、さまざまな理由で後になってから動脈瘤が拡大することがあるため注意が必要です。

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画像提供:PIXTA

そこで、拡大傾向がないことを確認するために当院では術後、退院前、その後は6か月から1年に1回CTなどによる定期検査が必須となります。また、動脈瘤が再拡大する場合には、将来的に破裂する危険があるため追加のステントグラフト内挿術や開胸・開腹手術が必要になることがあるという点は事前に知っておいていただきたいと思います。

大動脈瘤の外科的治療には、ステントグラフト内挿術と人工血管置換術という2つの治療法があります。どちらの治療法を行うかは病気だけでなく、いろいろな要素から判断しなければなりません。

当科では、大動脈瘤の病態はもちろんのこと、患者さんの生活環境や術後の生活の希望などについても子細に情報を集め、患者さんやご家族の意見を尊重しながら一人ひとりの患者さんに対して適切な治療を提供するよう心がけています。

提供写真
手術の様子

当科のモットーは、“手を抜かないこと“です。たとえば、骨盤内に血液を供給する内腸骨動脈は塞いでも生命に関わることはほとんどないため、ステントグラフト内挿術の際に必要に応じて意図的に閉塞(へいそく)させてしまうことがよくありますが、この場合3割ほどの方が歩くときにお尻が痛くなる臀筋跛行(でんきんはこう)という合併症を引き起こします。

当科では、腸骨動脈分岐用デバイスというステントグラフトを用いて可能な限り内腸骨動脈を温存するように努めています。技術と手間を要しますが患者さんのためになることに関しては決して手を抜きません。当科は2020年度このデバイスを多く扱った実績があります。

当院は伝統的に人工血管置換術の手術症例数が多く、経験を蓄積しております。また、近年はステントグラフト内挿術にも力を入れ、2020年には胸部大動脈ステントグラフト79例、腹部大動脈・腸骨動脈ステントグラフト80例の手術を実施いたしました(2020年1月~2020年12月の手術実績より)。このように積み重ねてきた経験を基に、一人ひとりの患者さんやご家族の声に耳を傾け、よりよい治療のご提案・ご提供に努めています。

当院は中央線甲府駅から近く、山梨県内の方はもとより長野県や東京都多摩地区からのアクセスも良好です。大動脈瘤に関してご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。

初めて当院を受診する方には、事前予約をお願いしております。もちろん、予約を承っていない方についても診察を受けることは可能ですが、その場合には長時間お待ちいただくことになるという点はあらかじめご了承ください。また、当院では紹介状をお持ちの方の診療が優先となりますので、初診時にはぜひかかりつけの医療機関などで書いていただいた当院宛の紹介状をご持参いただくようお願いいたします。

初診の予約方法(紹介状の有無)は、次の4種類です。

(1)かかりつけの医療機関からFAX予約(紹介状を持参のうえ来院)
(2)患者さんご本人から電話予約(紹介状を持参のうえ来院)
(3)事前予約なしで来院(紹介状を持参のうえ来院)
(4)事前予約なしで来院(紹介状を持参せず来院)

診察までもっとも早いのが(1)、次に待ち時間が短いのは(2)、(3)は多少の待ち時間が発生します。(4)は来院から診察まで長時間お待ちいただくことになります。当院では可能な限り診察までの待ち時間を短縮したいと考えておりますので、事前予約のご協力をよろしくお願いいたします。

初診の方は、来院されたらまずは総合案内にお声がけをお願いいたします。受付完了後は各診療科の待合でお待ちください。

なお、紹介状をお持ちでない場合や、紹介状の宛先に“山梨県立中央病院”の記載がない場合には、初診時選定療養費として5,092円(税込)を頂戴いたします。

受付時間は月曜日~金曜日(心臓血管外科の初診は月・水・金)の8:30~11:00です。土曜日・日曜日・祝日・年末年始は休診日となります(救急患者さんはこの限りではありません)。

詳しくは、山梨県立中央病院のホームページをご覧ください。

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