概要
尿道狭窄とは、尿道粘膜の線維化により尿道径が狭窄する疾患です。インターネット上では「尿道狭窄症」と検索されていることも多いようです。
尿道狭窄は、大きく分けて、生まれながらに尿道が狭窄している先天性のものと、感染・外傷などによる後天性の二つに分けられます。後天性の場合は、交通事故などによる外傷性と、感染・医原性*などに分類されます。
*治療のために行った医療行為が新たな病気を引き起こす
原因
尿道狭窄は尿道粘膜へのダメージにより起こると考えられています。尿道粘膜へのダメージの原因としては、尿道結石、尿道カテーテル、前立腺全摘など治療のために行った医療行為などが挙げられます。
症状
主な症状として、尿がうまく出せなくなることが挙げられます。さらに症状が重くなると尿路感染症などを引き起こすことがあります。
検査・診断
成人の尿道狭窄では、尿が出ない状態になった際の尿道カテーテル留置時です。また、膀胱内を内視鏡で観察する際などに偶然見つかることがほとんどです。実際の検査では、尿道狭窄の位置と狭窄の程度を知るために尿道造影を行います。尿道造影の検査は、造影剤を尿道に入れ検査します。さらに、膀胱尿道鏡で直接尿道の狭窄部位を内視鏡カメラで確認します。また、尿道狭窄による排尿状態を知るために、尿流量を測定する機械を追加で用いることもあります。
治療
尿道狭窄は、狭窄部位・狭窄の長さ・狭窄の程度などによって治療法を選択します。尿道狭窄に対する代表的な治療法では、ブジーやバルーンによる尿道拡張術があります。また、メスやレーザーによる尿道切開術、尿道ステント留置術などが行われる場合もあります。さらに手術による尿道の吻合術や口腔粘膜を用いた再建術なども治療の選択肢です。しかし、手術は再狭窄率が低い一方で、経験のある施設でないとなかなか行えないなどの問題点があげられます。
多くの場合、手術以外の経尿道的な治療が行われ、再発時に手術などを行うケースがほとんどですが、交通事故などの外傷では最初から手術が行われるケースもあります。
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