すいぞうそんしょう

膵臓損傷

別名
膵損傷
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

膵臓損傷とは銃創(じゅうそう)や交通外傷により膵臓の実質が損傷を受けた状態で、死亡率は10~30%と高く緊急処置が必要となります。

外傷性膵臓損傷の場合、受傷直後においては出血が予後を左右しますが、晩期においては主膵管(膵臓の酵素を十二指腸に排出する管)に損傷があるかどうかで大きく治療成績が左右されます。

原因

膵臓損傷は腹部損傷の2~16%を占め欧米では銃創や刺創(しそう)による穿通性損傷(せんつうせいそんしょう)が多いのに対し、日本では圧倒的に交通事故による鈍的損傷(どんてきそんしょう)が多くなっています。

特に自動車運転中あるいは乗車中の事故でダッシュボードやハンドルに衝突した際の外力により損傷を受けることが多いです。

症状

損傷が軽度な場合は上腹部に軽い違和感や痛みを自覚するのみです。損傷が高度な場合で血管損傷を伴う場合は腹部内に大量出血を起こしている場合が多く、意識障害、血圧低下などの出血性ショックの症状が出現します。

受傷直後に損傷が軽度な場合でも時間の経過によって膵液が腹腔内に漏れて激しい腹痛、背部痛、嘔吐などの症状が現れることもあります。

検査・診断

初期診療において血圧などの値が保たれている場合は造影剤を用いたCT検査を行い、他の臓器に損傷がないか、膵臓損傷の程度はどの程度か、主膵管に損傷はないかといった項目を評価します。

所見がはっきりしない場合は12~24時間後に再度CT検査を行うことで診断できることがあります。主膵管に損傷があるかどうかの診断にはCTと内視鏡的逆行性膵管造影を行うことで検出能が向上します。

治療

主膵管の損傷を伴わない場合は原則として保存的治療が可能ですが、まれに死亡例も報告されているため厳重な管理が必要となります。

主膵管に損傷を伴う場合は手術の適応となり、膵臓の切除術あるいは膵臓と消化管の吻合術(ふんごうじゅつ)を行います。受傷直後に出血性ショックがみられた場合は緊急開腹手術を行う必要があります。

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