けっしょうばんきのういじょう

血小板機能異常

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概要

血小板機能異常とは、血小板がうまく働くことができない病気です。血小板は出血したときに働いて止血します。この病気の患者さんは血小板の数には異常を認めないものの、うまく血小板が働くことができない(機能の異常)ために止血しにくくなります。

遺伝的な欠陥による生まれつきの原因(先天性)と他の様々な病気や薬剤により引き起こされる原因(後天性)に分けられます。皮膚や粘膜の出血が主な症状であり、関節内出血などは稀です。

先天性の病気は子供に遺伝する可能性があり、多くは“小児慢性特定疾病”に指定されています。医療費の補助を受けられる可能性がありますが、都道府県ごとに認定が必要になりますので、詳しくは主治医もしくはかかりつけの病院にご相談ください。

原因

出血が起きると血小板はその周囲に付着(粘着)して周囲のタンパク質を活性化させます。するとさらに血小板が集まり(凝集)、凝固因子と呼ばれる別のタンパク質を活性化させて最終的に止血します。先天性の場合、“粘着”や“凝集”などに関わる遺伝子(GPIb/IX/V やGPⅡb/Ⅲa)の異常が原因です。

具体的には、粘着能の異常であるベルナールスーリエ症候群、凝集能の異常である血小板無力症が代表的な疾患です。“常染色体劣性遺伝“の疾患が多く、両親がこの病気を発症していなくても、子供がこの病気を発症する可能性があります。

後天性の場合、下記に挙げるような原因があります。 ・尿毒症(慢性腎不全) ・肝疾患 ・異常蛋白血症:多発性骨髄腫,マクログロブリン血症 ・骨髄増殖性疾患:特に本態性血小板血症 ・体外循環,心肺バイパス ・膠原病白血病 ・薬剤性血小板機能異常症

症状

主な症状は、皮膚や粘膜の出血です。具体的には、皮膚や歯茎から簡単に出血する、鼻血が出やすい、血豆ができやすい、足に点々のような出血が起きやすい、などです。

また、胃や腸から出血したり、尿に血が混じることがあります。初潮開始後の女性の場合、生理の出血が増えることがあります。非常にまれですが、脳や内臓など目に見えない箇所に出血した場合、命にかかわります。これらの症状は突然起きることがあります。関節内や筋肉内などの深部出血はまれです。 

検査・診断

血液検査

血液に含まれる細胞の数や形などを調べます。血小板の数だけでなく、自分の血小板を攻撃するような免疫物質(自己抗体)の有無を確認し、異常な血小板が出現していないか調べます。

骨髄検査

血液を作る工場である骨の中の骨髄をほんの一部とります。うつ伏せの姿勢で、局所麻酔を行い腰の骨に針をさします。病理医と呼ばれる別の医師が顕微鏡を使って、骨髄の中できちんと血小板を作っているかチェックします。また、血小板が減るような他の血液の病気がないかどうかも調べます。 

遺伝子検査

血小板の粘着や凝集に関わる遺伝子を調べて異常の有無を調べます。複数の遺伝子異常があり、どの遺伝子異常があるかによって重症度が異なります。家族内にこの病気の人がいる場合はこの検査が推奨されます。 

治療

出血症状の現れた時期、抜歯や術後の出血トラブルの既往歴、血族結婚や遺伝などを含めた家族歴、抗血小板剤などの服薬状況を考慮して、血小板機能異常の原因を特定することが最も重要です。それはさまざまな基礎疾患、薬剤により血小板機能が障害され出血症状を呈することがあるためです。実際には後天性の原因がほとんどです。

後天性の場合、血小板機能異常の原因に対する治療が重要です。具体的には、抗がん剤を含む化学療法や疑わしい薬剤の中止、肝臓や腎臓の機能を保護する治療などその原因により多岐にわたります。

先天性の場合、出血もしくは出血予防が治療の目的です。皮膚や粘膜の出血の際には、局所を圧迫します。止血が困難な場合や外科的な処置を行う場合には血小板を輸血します。体と体がぶつかるような激しいスポーツは禁止されます。アスピリンなど出血の副作用がある内服薬は注意が必要で、事前に主治医に確認する必要があります。

血小板の機能がある程度保たれている場合は、特に治療を行わず外来で定期的に採血を行いながら経過をみることができます。年齢や症状、出血の重症度や頻度によって治療方法は大きく異なります。きちんと出血を予防できれば、その後の経過は良好です。 

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