さこつこっせつ

鎖骨骨折

最終更新日:
2023年12月28日
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2023/12/28
更新しました
2017/04/25
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概要

鎖骨は胸の上前面に位置する骨で、左右対称にS字カーブの形をしています。この鎖骨が、交通事故やスポーツのけが、転倒などにより折れた状態を鎖骨骨折といいます。鎖骨骨折は骨折全体の10%を占める比較的頻度の高い骨折です。

骨折部位は鎖骨の中央3分の1がもっとも多く、全体の約80%を占めます。そのほか約15%は肩に近い鎖骨の端(遠位部)、約5%は鎖骨の内側(近位部)に生じます。

骨折を起こすと鎖骨がずれて変形するため、痛みや腫れ、皮下出血などを生じることがあります。また、まれに折れた鎖骨により付近の神経が損傷して、腕や肩、指が動かせなくなるケースなどもあります。

原因

鎖骨骨折の多くは、肩から倒れるように転倒したり、転倒した際に腕を伸ばしたまま手をついたりして鎖骨に大きな衝撃を受けることで生じます。そのほか、直接衝撃を受けて骨折することもあります。

症状

骨折部位の痛みや腫れ、皮下出血などが現れ、腕や肩を動かす際には痛みが生じます。

鎖骨を骨折すると、一般的に鎖骨の中央寄りの骨片は上方にずれ、肩寄りの骨片は下方にずれます。骨がずれると鎖骨が盛り上がるような見た目になり、折れた骨同士が重なり合う場合は肩幅が狭くなります。

交通事故などにより外部から大きな衝撃が加わった場合には、鎖骨周辺の神経が損傷し手指が痺れたり動かせなくなったりすることもあります。このほか、鎖骨骨折に伴い鎖骨と肩甲骨をつなぐ靱帯(じんたい)が断裂する場合や、肋骨(ろっこつ)骨折や血気胸を合併する場合もあります。

検査・診断

転倒などによって鎖骨周囲に衝撃が加わり、痛みや腫れ、腕を上げられないなどの症状がみられる場合には鎖骨骨折の疑いがあります。

問診や触診で鎖骨骨折の特定は可能ですが、確定診断や骨折部位の特定、損傷の程度を把握するため、X線検査やCT検査などの画像検査が行われます。

治療

鎖骨骨折の治療は、保存療法と手術療法があります。

保存療法

骨のずれが少ない場合や子どもの場合は保存療法が行われます。

骨折してずれた鎖骨片を、胸を張るようにして元の正常な位置に戻し、包帯や鎖骨バンドで固定します。固定する期間は年齢が小さいほど短く、乳幼児で2〜3週間程度、小中学生で4〜6週間程度です。

なお、バンドなどで固定を行っても骨癒合(骨がくっつく)が困難な場合には、手術を検討することがあります。

手術療法

鎖骨骨折によって、周囲の神経や血管が損傷している場合や骨折部のずれが大きい場合、骨が皮膚の外に飛び出ているような場合は外科的手術を行います。また、成人で骨折部が粉砕または短縮している場合は、保存療法により骨が修復した後も変形が残り運動制限や痛みなどを生じることがあるため、また早期に社会復帰を考える場合なども手術を検討します。

手術には専用のプレートを鎖骨に当てて固定する方法と、鎖骨内に鋼線やスクリューを入れて固定する方法があり、骨折の状態に応じて選択します。

そのほかの治療

固定しても骨癒合が遅れるようであれば、電気刺激や超音波を用いて治療することがあります。

手術を行った場合には、術後早期より肩関節などの可動域訓練を開始します。保存療法で加療した場合には、肩が動かしにくいなどの症状があればリハビリテーションを行います。

予防

骨折の予防には、原因となる事故やけがを防ぐために安全に気を配ることが重要です。スポーツの前には十分な準備体操を行ったり、車や自転車を運転する際は安全運転を心がけたりすることで事故防止につながります。

また、高齢者は骨粗鬆症(こうそしょうしょう)が原因で小さな事故でも鎖骨骨折を起こしやすくなります。滑りにくい靴下を着用するほか、家庭内では手すりを設置するなど転倒予防に努めましょう。

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