きゅうせいしゅっけつせいけつまくえん

急性出血性結膜炎

最終更新日:
2024年01月19日
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2024/01/19
更新しました
2017/04/25
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概要

急性出血性結膜炎とは、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスの一種に感染することによって引き起こされる結膜炎です。これらのウイルスは、接触感染によって感染が広がるという特徴があり、ウイルスが付着した手で目をこする、ウイルスが付着したタオルで顔を拭くといった行為で感染します。発症すると非常に強い目の痛みや異物感(ゴロゴロする感じ)が現れ、結膜(まぶたの裏と目の表面を覆う膜)の充血や出血を伴うようになります。

いずれのウイルスに感染した場合でも1週間程度で自然に回復しますが、エンテロウイルス70型に感染した場合、発症から半年~1年程度経った後に運動麻痺をきたすことがあるため注意が必要です。

原因

急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス70型またはコクサッキーウイルスA24変異型というウイルスが目に感染することによって起こります。これら2つのウイルスは、感染者などとの接触による経路で感染します。具体的には、感染者の涙や目やになどに含まれるウイルスを触った手で目をこする、ウイルスが付着したタオルや寝具などに目が触れるといった行為などです。

また、2つのウイルスはいずれも感染力が強く、特に集団生活を送る1~4歳の小児に多くみられる病気とされています。

症状

エンテロウイルス70型に感染した場合は24時間程度、コクサッキーウイルスA24変異型に感染した場合は2~3日程度の潜伏期間を経て、目の強い痛みや異物感、羞明(光を異常にまぶしく感じること)などの症状が現れるようになります。さらに、結膜の充血や結膜下出血(結膜の下の細い血管が破れて出血すること)を伴うようになります。そのほかにも、目やにやまぶたの腫れが生じるほか、まぶたの裏に濾胞(ろほう)と呼ばれるブツブツができたり、角膜が混濁したりするケースも多いとされています。また、頭痛や発熱、咳などの呼吸器症状もみられます。

一般的に急性出血性結膜炎は1週間程度で自然に回復していきますが、エンテロウイルス70型が原因の場合は、発症から半年~1年程度経った後に運動麻痺が起こることがあるため、注意が必要です。

検査・診断

急性出血性結膜炎が疑われる場合は、まぶたの裏にぶつぶつができていること、目やに・目の痛み・異物感を伴うまぶたの腫れがあること、結膜下出血があることなど特徴的な症状があるかどうかを確認します。

急性出血性結膜炎と似た症状を引き起こす他の病気との鑑別や、発症原因となっているウイルスを調べるため、目やにやまぶたの分泌液などを採取してPCR検査などを行うことがあります。血液検査でウイルスに対する抗体の有無を調べることでも診断することができますが、急性出血性結膜炎の原因となるウイルスは、感染しても抗体が増えないケースも多く、正しい結果が出ないことがあります。

治療

急性出血性結膜炎の原因となるウイルスに対する抗ウイルス薬は現在のところ開発されておらず、この病気に対する根本的な治療方法はありません(2023年時点)。しかし、急性出血性結膜炎は1週間程度で自然に回復することが多く、治療の必要がないケースもあります。

一方で、結膜に炎症が生じているため、細菌感染などのダメージを受けやすい状態となっています。そのため、細菌感染を防ぐために抗菌薬が含まれた目薬による薬物療法を行うことがあります。

予防

急性出血性結膜炎の原因となるウイルスに対するワクチンはありません。発症を予防するにはウイルスへの接触を避けることが大切です。

周囲で感染が流行している場合は、むやみにいろいろなものに触れたりせず、人との密な接触を避けましょう。手洗いや消毒などの基本的な感染対策を徹底し、タオルや寝具などの共有も控えるとよいでしょう。また浴槽の水などを介して感染することもあるため、家族内に感染者がいる場合は感染者の入浴を最後にしたり、浴槽は使用せずシャワーのみにしたりすることも対策となります。

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